水分摂取とむくみの正しい理解〜疲労・塩分・生活習慣から考える体の仕組み〜

2025.09.10 | まとめ

水分 ミネラルバランス 浮腫み

「水を飲みすぎるとむくむ」

「疲れていると足がパンパンになる」

「塩分の摂りすぎがむくみにつながるのでは?」

こうした疑問や不安を抱える方は少なくありません。
特に健康やダイエット、美容に関心のある人ほど、水分とむくみの関係を気にされることが多いのではないでしょうか。

むくみは一見単純に見えますが、実際には

体液バランス

塩分(ナトリウム)

血流やリンパの循環

腎臓の働き

さらには疲労や生活習慣 が複雑に関わっています。

本記事では、生理学・栄養学・スポーツ科学の知見に基づき、

・むくみの仕組み

・水分摂取とむくみの関係

・疲労や塩分摂取が与える影響

・健康的な水分摂取の目安

・むくみ予防に役立つ生活習慣

について詳しく解説していきます。

むくみ(浮腫)の仕組み

水分 ミネラルバランス 浮腫み

むくみとは、体内の水分が過剰に組織間(細胞と細胞の間)に溜まってしまった状態です。

人の体の約60%は水分で構成されていますが、そのうちの約2/3は細胞内に、残り1/3は細胞外液(血漿やリンパ液、間質液)として存在します。

このバランスは腎臓やホルモン(抗利尿ホルモン、アルドステロンなど)によって厳密に調整されています。

しかし、以下のような要因でバランスが崩れると、血管内から水分が漏れ出し、むくみが生じます。

・塩分(ナトリウム)の過剰摂取

・血流やリンパの停滞

・腎機能の低下

・ホルモンバランスの乱れ

・疲労や長時間同じ姿勢による循環不良

つまり、むくみは単なる「水分の摂りすぎ」ではなく、

体内の調整機能のバランスが崩れた結果として起こるのです。

疲労とむくみの関係

水分 ミネラルバランス 浮腫み

「疲れているとむくみやすい」と感じる方は多いでしょう。

これは以下の要因によって説明できます。

1. 筋肉疲労による血流低下
筋肉は血液を心臓に戻す「ポンプ」の役割を担っています。
筋肉が疲労するとその機能が低下し、下肢に水分が溜まりやすくなります。

2.自律神経の乱れ
疲労や睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが崩れ、血管や腎臓の調整機能が低下。
これにより体液の循環が悪化し、むくみやすくなります。

3.長時間同じ姿勢
デスクワークや立ち仕事では下肢の静脈やリンパの流れが滞り、余分な水分が足にたまります。

つまり、疲労そのものが直接水をため込むのではなく、疲労や姿勢の影響による循環不良がむくみの原因になるのです。

水分摂取とむくみ ― 飲みすぎるとむくむのか?

「水を飲みすぎると顔や足がむくむ」という声をよく聞きます。

結論から言えば、健康な腎機能を持つ人では、通常の水分摂取でむくむことはほとんどありません。
腎臓が余分な水分を尿として排出し、体液の恒常性を保っているためです。

ただし、例外もあります。

・短時間で大量の水を摂取した場合(低ナトリウム血症のリスク)

・腎機能が低下している場合

・塩分摂取のバランスが極端に偏っている場合

むしろ問題となるのは「水分不足」です。

水分が不足すると血液の循環が悪くなり、老廃物やナトリウムの排泄が滞り、
結果的にむくみを悪化させることがあります。

塩分摂取とむくみ

水分 ミネラルバランス 浮腫み

むくみの原因として最も大きいのが 塩分過多 です。

ナトリウムは水分を保持する性質があるため、塩分を摂りすぎると体は水分を溜め込もうとします。

その結果、血管内の水分が増え、間質にまで漏れ出してむくみを引き起こします。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、

・男性:7.5g未満/日

・女性:6.5g未満/日


が塩分摂取の目標量とされています。

しかし日本人の平均摂取量は約10g前後とされ、基準を大きく上回っています。

この塩分過多が慢性的なむくみや高血圧、心血管疾患のリスクにつながっているのです。

健康的な水分摂取の目安

世界保健機関(WHO)や厚生労働省のガイドラインによれば、

成人の1日の水分摂取目安は 1.5〜2.5L程度(食事から摂取する水分を含む)です。

・通常時:1.5〜2L程度を目安にこまめに摂取

・発汗が多いとき:運動や高温環境では500〜1000mlを追加

・一度に大量ではなく、少量を複数回に分けて飲むのが理想

さらに、野菜や果物からの水分摂取も有効であり、
特にカリウムを含む食品(バナナ、ホウレン草、アボカドなど)はナトリウム排泄を促進し、むくみ予防に役立ちます。

むくみを予防・改善する生活習慣

水分 ミネラルバランス 浮腫み

1.適度な運動
ウォーキングやストレッチなど、ふくらはぎを動かす習慣が血流改善に効果的。

2.水分補給をこまめに
不足も過剰も避け、1日を通して分けて摂取。

3.減塩の意識
加工食品・外食の塩分を控え、調味料の使い方を工夫。

4.カリウム・マグネシウムを意識
野菜・果物・豆類を取り入れ、ナトリウム排泄をサポート。

5.休養と睡眠
疲労回復と自律神経の安定がむくみ予防に直結。

FAQ(よくある質問)

Q1. 水を飲むと顔がむくむのはなぜですか?
A. 水分そのものよりも、塩分摂取過多や血流・リンパの循環不良が原因であることが多いです。

Q2. 疲れているとむくみやすいのは本当ですか?
A. はい。疲労や睡眠不足により血流や腎臓の調整機能が低下し、むくみやすくなります。

Q3. 水分はどのくらい飲むのが理想ですか?
A. 成人で1.5〜2.5L/日が目安です。発汗や活動量に応じて調整してください。

Q4. むくみを改善する食べ物はありますか?
A. カリウム(バナナ、ほうれん草)、マグネシウム(ナッツ類)、たんぱく質(魚・肉・豆製品)が有効です。

Q5. サプリや利尿剤でむくみを取るのは安全ですか?
A. 医師の指導なしに利尿剤を使用するのは危険です。まずは生活習慣改善が基本です。

Q6. 朝と夜でむくみやすさは変わりますか?
A. はい。日中は重力の影響で下肢に水分が溜まり、夕方に脚がむくみやすくなります。

まとめ

・むくみは「水分を飲みすぎたから」ではなく、塩分摂取・血流不良・疲労や腎機能低下など複数の要因で起こる。

・水分不足はむしろ血流を悪化させ、むくみや疲労を増長させる。

・水分摂取の目安は1.5〜2.5L/日、こまめな補給が理想。

・減塩・適度な運動・十分な休養でむくみは改善できる。

「水を飲むとむくむ」というのは誤解です。大切なのは、水分・塩分・生活習慣のバランスを整えること。これこそが、健康的でむくみにくい体を作る第一歩なのです。

オススメ記事はこちら▼

セミパーソナルジム LAULE’A50Fitness 肥後橋店

〒550-0003
大阪府大阪市西区京町堀1丁目10-18 大榮ビル東館3階A室

「肥後橋駅」から徒歩3分
「本町駅」から徒歩10分
「淀屋橋駅」から徒歩6分

セミパーソナルジム LAULE’A50Fitness 阿波座店

〒550-0012
大阪府大阪市西区立売堀4丁目6-20 戒阿波座ビル201

「阿波座駅」から徒歩2分
「西長堀駅」から徒歩8分

|