現代の研究で明らかになってきたのは、「口腔–腸管軸」と呼ばれる、
口腔内細菌と腸内細菌の深い関係性です。
私たちの身体の中で、口と腸は“消化管”としてつながっているだけではありません。
実は、口腔内の細菌が唾液とともに腸へと到達し、腸内環境にまで影響を及ぼしているのです。
目次
毎日1~1.5L分泌される唾液とともに、口腔内の細菌も少しずつ腸へと移動しています。
ある研究では、健康な成人の約45%において、
口腔と腸で共通する菌種が確認されており、両者の関連性が浮き彫りになっています。
さらに、口腔内の病原菌、特に歯周病菌(Porphyromonas gingivalisなど)は、
腸内において炎症を悪化させることが分かっています。
P. gingivalisは、腸内フローラのバランスを乱し、
炎症性サイトカインの産生を促進し、腸のバリア機能を低下させることが示されています。
マウスモデルを用いた実験では、P. gingivalisを経口投与した群で、
腸内細菌の多様性が低下し、炎症マーカーが上昇したという結果も報告されています。
さらに、腸管粘膜への定着によって、局所免疫の過剰反応を誘導することが明らかとなっています。
近年、以下のような疾患との関連も指摘されています。
これらは、腸内環境の悪化(ディスバイオーシス)が発症・進行の一因であり、
その原因として口腔内細菌の関与が疑われているのです。
口と腸をつなぐ「口腔–腸管軸」を意識した健康戦略として、以下の3点が挙げられます:
また、プロバイオティクスの活用、特にL. reuteri(ロイテリ菌)は、
腸内だけでなく口腔内でも定着可能な菌株であり、
歯周病予防や腸内フローラの調整に役立つとされています。
「腸活」や「オーラルケア」は、それぞれ別のものと捉えられがちですが、実はつながっています。
口腔環境の改善は、腸内フローラを整える鍵でもあり、最終的には全身の健康へとつながるのです。
「腸がキレイな人は、口もキレイ。」
そんな未来を目指して、今こそ“口腔–腸管軸”に注目してみてはいかがでしょうか?
Q1. 口腔細菌が腸まで届くって本当ですか?
A. はい、本当です。唾液を通じて毎日少量ずつ腸に到達し、腸内環境に影響を与えることが分かっています。
Q2. 歯周病菌が腸に悪影響を与えるのはなぜ?
A. 歯周病菌は炎症を引き起こしやすく、腸のバリア機能を弱め、全身の慢性炎症を助長する恐れがあります。
Q3. 口腔ケアで腸内環境が良くなるの?
A. 間接的に改善につながる可能性があります。口腔内の病原菌を減らすことで、
腸内への悪影響を防ぐことができます。
Q4. 腸内フローラを整える食事って?
A. 発酵食品(ヨーグルト、納豆など)や食物繊維を多く含む食品を積極的に摂ることが推奨されます。
Q5. 子どもにもこの知識は必要ですか?
A. はい、子ども期からのオーラルケアと食育が、将来の健康に大きな影響を与えることが分かっています。
Q6. ロイテリ菌はどのように役立つの?
A. ロイテリ菌は、口腔と腸の両方に働きかけ、
口内環境の改善や腸内フローラのバランス調整に有用です。歯周病予防や炎症の抑制にも期待されています。
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