〜寒くなってくる時期・運動をする人・ダイエット中だからこそ知っておきたいミネラルと水分バランス〜

2025.11.06 | まとめ

水 塩 ミネラル 水分補給

「水分をたくさん取っていれば大丈夫」「塩を抜けばダイエットにいい」

こういった単純な考え方で片付けがちですが、実は水分と塩分には、
体の代謝・循環・筋肉機能・回復・むくみなどに深く関わる重要な役割があります。

これからの季節、涼しくなり空気が乾燥してくると、水分摂取量が落ちやすくなったり、「塩分を控えよう」とあまりに極端にしてしまったりするケースも増えます。

しかし、運動を行う人、ダイエット中の人、体力を維持したい人にとっては、
むしろ水分+塩分(ナトリウムなどミネラル)を適切に取ることが“体を整える”鍵になります。

本記事では、

・なぜ水分と塩分が体にとって不可欠か
・寒くなる時期に水分・塩分が不足しやすい理由と対策
・運動をしている人・ダイエット中の人が押さえるべきポイント
・塩を適切に摂るための具体的な実践法

を、最新の研究・文献を交えて詳しく解説します。


1|水分の役割と体における重要性

水 塩 ミネラル 水分補給

体内の水分量と役割

成人男性70kgを例にすると、体重の約60%が水分であると言われています。

水分は、細胞内液(ICF)・細胞外液(ECF)という2大流体空間に分かれ、それぞれが生命活動を支えています。

水分は、

・栄養素や酸素を細胞に運ぶ輸送媒体

・代謝で生じた老廃物・二酸化炭素を運び出す

・体温調節(水分蒸発・発汗・血液循環など)を助ける

・関節・臓器・筋肉を「適切な水分量」で潤した“正常な機能状態”を保つ

など、多くの重要な役割があります。

水分が不足すると何が起きるか

脱水状態になると、代謝が低下し、
疲労感・集中力低下・筋力低下・体温調節機能の低下などが起こりやすくなります。

特に筋肉量が高い人(=体重×%筋肉が多い人)では、水分の占める割合が高くなるため、水分不足の影響を受けやすくなります。

水分と代謝・健康寿命との関係

適切な水分摂取は、単に“のどを潤す”だけでなく、代謝を正常に保つための基盤です。

研究でも、水分バランスが崩れると代謝酵素の働きが低下し、体内の運搬・排泄・温度調節機能の効率が落ちることが示唆されています。


2|塩分(ナトリウム+塩化物)とミネラルバランスの重要性

水 塩 ミネラル 水分補給

塩分=ナトリウムの基本的な機能

「塩」に含まれるナトリウムと塩化物イオンは、体にとって次のような重要な機能を担っています:

・細胞外液の浸透圧を調整し、細胞内外の水分バランスを保つ。

・神経インパルス(神経信号)伝達を支え、筋肉収縮を可能にする。

・血液や体液の量・体積を保つことで、血圧や血流を一定範囲に保つ。

つまり、ナトリウムを含む“塩分”は、単なる味付け以上に、
水分・ミネラル・神経・筋肉・循環のあらゆる側面と関わっているわけです。

運動・汗をかく場面での塩分の役割

特に運動をして汗をかく場面では、
ナトリウムなどの電解質が失われます。

研究によると、長時間・高強度の運動では 数グラムのナトリウムが汗として失われることもあります。

また、運動後の再水和(リハイドレーション)において“水だけ”ではなく、
ナトリウムを含む飲料/電解質補給が水分保持・回復に重要であることが示されています。

過剰な塩分制限のリスク

塩分摂取を極端に制限すると、
ナトリウム不足・電解質バランスの乱れ・水分の貯留調整機能の低下・筋収縮や神経伝達の低下などが起きる可能性があります。

運動している・代謝を高めたい人・寒くて水分が取りにくい人にとっては、特に注意が必要です。

また、高齢者・ダイエット中・体力低下中の方が塩分をほとんど取らずにいると、
むくみ(浮腫)を生じるケースもあります。

なぜかというと、ナトリウムが極端に低いと体は水分をうまく排出できず「水分をため込む」方向に動いてしまうことがあるためです。

推奨されるナトリウム量・塩分量

一般成人では、ナトリウム摂取量の目安は約500 mg/日くらいからが“最低必要量”とされており、
塩分でいうとおおよそ1~1.3g程度と言われています。

ただし、運動量が多い人・汗をかきやすい環境にいる人・寒暖差・乾燥が激しい環境にいる人などは、ナトリウム・水分・その他ミネラルの補給を意識した調整が必要です。

3|寒くなってくる時期、水分・塩分が不足しやすい理由とその対策

これからの季節は、気温・湿度ともに低下し、“水分摂取が減る”“汗をかきにくくなる”傾向があります。

ここでは、その理由と対策を整理します。


不足しやすい理由

・暑いときのように「喉の渇き」を感じにくくなるため、水分補給がおろそかになりやすい。

・発汗量が少なくなるため、「汗をかいたから水を飲もう/塩分を補おう」という感覚が薄くなる。

・乾燥して空気中の水分が少ないため、知らず知らずのうちに呼吸・皮膚・粘膜から水分が失われている。

・暖房・室内環境の影響で水分消費量が変動する。

・ダイエット意識や健康志向から「塩を控えよう」「水で済ませよう」としてしまい、ミネラル・水分バランスを崩す。

対策:水分+塩分の取り方

■ 水分摂取の工夫

・1日あたりの目安を改めて設定:例えば成人で1.5~2.0 Lを基準とし、寒くて汗をあまりかかなくても、1.2~1.5Lは意識して摂る。

・温かい飲み物(白湯・温かいお茶)も取り入れて、水分を“飲む”ことのハードルを下げる。

・“喉の渇き”だけで飲むのではなく、1時間にコップ1杯(200~250 mL)程度を目安にタイミングを決めて飲む習慣化。

・朝起きたとき・就寝前・運動前後に1回ずつ飲むなど“決まったタイミング”を設ける。

■ 塩分(ナトリウム)補給の工夫

・海塩などで、味付けの基本を「薄味」でも“風味を補う”という視点で活用。
塩分ゼロを目指すのではなく「控えめに・質を知って使う」姿勢。

・料理のベースとして海塩を使い、加工食品・外食の過剰な塩分に依存しない。

・運動前後・発汗が多い日・寒くて体を動かした後には、“軽めの塩分+水”を補給する。例えば1 Lの水にひとつまみの海塩(ナトリウム10~20 mg程度)を混ぜるなど。

・食材で塩分を補う:味噌汁(具だくさん)、軽く塩をきかせた茹で野菜、塩鮭・干物など。

・“塩を制限すればダイエットに良い”という安易な考え方ではなく、塩分をミネラルバランス・水分保持・筋肉・代謝の観点から適切に摂る視点を持つ。

寒い時期・運動をする人向けのポイント

・運動前:軽い水分+少量のナトリウム摂取で体を“水分・ミネラル不足状態”にしない。

・運動中:汗でナトリウム・水分が失われるため、水だけでなくスポーツドリンクや電解質入り飲料を使うのが理想。研究では、「ナトリウム40 mmol/L以上」の補給が、運動後の水分保持に有効という報告があります。

・運動後:軽い塩分+水+たんぱく質・炭水化物の組み合わせで、回復を促進。

・寒くなってきて筋肉が硬まりやすい時期こそ、血流を促すための水分とナトリウムが役立ちます。

4|ダイエット中に注意すべき「水分・塩分」の考え方

ダイエット中、「塩を抜く」「水だけで過ごす」といった極端な方法が見られますが、むしろそれは“逆効果”になることがあります。

過度な塩分制限がもたらすリスク

・ナトリウムが極端に低下すると、筋肉・神経・水分調整に支障を来す。

・水分バランスが崩れると、
むくみ(浮腫)が生じることがあります。体はナトリウムが少ない →“水分を貯めよう”としやすくなるためです。

・基礎代謝が低下し、痩せにくい体質になってしまう可能性。

・食欲・疲労・筋力低下を招き、ダイエットの質を下げる。

水分を“控える”のも危険

・水分をあまり取らないと、代謝が滞り、排泄・輸送・体温調整機能が低下。

・特に寒い季節、運動していないと
「汗かかないから水分少なくていい」と思いがちですが、
実際は呼吸・代謝・代謝産物の処理で水分は失われています。

ダイエット中に推奨される水分・塩分のバランス

・水分:1日あたり1.5~2.0 Lを目安にしつつ、活動量・発汗量・体格に応じて調整。

・塩分:極端にゼロではなく、むしろ“薄味かつ適塩”を意識。
加工食品・インスタントに頼らず、良質な調味料・食材からの塩分を。

・ミネラル:マグネシウム・カリウム・カルシウムなども一緒にバランスよく摂ることで、水分・塩分の作用がより効果的になります。

5|専門的視点から見る「水分・塩分と運動・回復」の研究エビデンス

以下、いくつか信頼性ある研究・レビューを基に、より深掘りします。

・「Effects of Sodium Intake on Health and Performance in Endurance Sports」では、ナトリウム摂取が低すぎても/高すぎても運動パフォーマンスや健康に影響を与えると報告されています。

・「Post-Exercise Rehydration … Effects of Sodium and …」では、再水和(運動後の補水)にナトリウムが含まれている飲料の方が水だけのものより体液保持に優れており、運動後の回復にとって重要であるとしています。

・「Hydration Status, Fluid Intake, Sweat Rate, and Sweat Sodium …」というランナーを対象とした研究では、発汗中のナトリウム損失量が個人差あるものの、汗中ナトリウムと水分摂取・水分バランスに明確な関係があることが報告されています。

・レビュー「Water, Hydration and Health」では、水は代謝・輸送・細胞機能にとって不可欠であるとしながらも、「適切な水分量」「質の高い水分・ミネラル補給」の研究ギャップがあると述べています。

これら研究からも明らかなように、
「水だけ」「塩だけ」で済む話ではなく、『水分+塩分(ナトリウム)
+その他ミネラル』を個人の活動量・環境(発汗量・気温・湿度)に応じて調整することが、運動・代謝・健康維持の鍵ということがわかります。


6|実践:水分・海塩を上手に取り入れるステップ

ステップ①:自身の活動量・発汗量を把握

・運動をしている・汗をかきやすい環境にいるなら、発汗量・塩分損失が通常より多くなります
(例:1hで500 mL以上の発汗、汗の塩味を感じるなど)

・寒くなってきて汗をかかないと思っていても、代謝や呼吸・体温調節で水分は失われていますので、“少なくても水分+電解質補給”を意識。

ステップ②:水分を定量・定時で摂る習慣

・朝起きた後:200~300 mLの水(温かめ)を飲む

・運動前:200 mL+少量の海塩(ひとつまみ程度)を含んだ水を飲む

・運動中:15~30分ごとに少量ずつ、水または電解質飲料を補給

・就寝前:200 mL程度の温水などで締める

ステップ③:海塩を上手に活用した食事

・主食/副菜を塩味ゼロにするのではなく、風味を生かしつつ“適塩”
(例:食塩換算で1日6g程度)を意識

・味噌汁やスープ、茹で野菜+軽塩の組み合わせで自然な塩分補給

・運動直後や発汗量が多かった日は、軽めの塩分スナック(塩味ナッツ、塩鮭など)を活用

・加工食品・冷凍食品・外食など“隠れ塩分”に注意し、自然な海塩による塩分を基本に

ステップ④:むくみ防止・水分過多防止にも配慮

・「塩を控えるからむくまない」というのは誤解。むしろ塩分が低すぎると、体は水分を滞留させて“むくみ(浮腫)”を招く可能性があります。

・水分を大量に一気に飲むのではなく、こまめに少量ずつが基本。


まとめ

・水分は体の輸送・代謝・温度調節・循環に不可欠。

・塩分(ナトリウム・塩化物)は水分バランス・神経・筋肉・血流を支える重要ミネラル。

・寒くなってくる時期、水分摂取が減りやすく・汗をかきにくいが水分+塩分補給はむしろ重要。

・運動をする人/ダイエット中の人ほど、水分+塩分+ミネラルバランスを意識。

・塩を“抜く”ことだけが正解ではなく、塩分を適切に取ることでむくみ防止・代謝維持・パフォーマンス向上に繋がる。

・海塩を活用しながら、加工食品・外食由来の塩分に偏らず、自然な食材・味付けで適塩生活に。

・最新の研究では、運動中の再水和にナトリウム補給が有効というエビデンスもあり、体活動量・環境によって“個別最適化”が今後重要視されています。

この時期こそ、単なる「水だけ」「塩だけ」の考え方ではなく、「水分 × 塩分 ×ミネラルバランス」を整えておくことで、体調・代謝・運動パフォーマンス・ダイエットのすべてに対して前向きな影響を与えることができます。


FAQ(よくある質問)

Q1. 寒くなって汗をかかないとき、水分をあまり取らなくてもいい?
A. いいえ。
汗をかいていなくても、呼吸・皮膚・代謝で水は失われています。冷え・乾燥の時期こそ、定期的な水分補給が重要です。

Q2. ダイエット中は塩をゼロにすればいい?
A. いいえ。
塩分を極端に減らすと、水分バランス・ミネラルバランス・神経・筋肉機能に影響を及ぼす可能性があります。適塩(例:1日6g前後)を基準に、海塩を活用した質の良い塩分補給が望ましいです。

Q3. 運動後に水だけでなく塩分を摂るべきなのはなぜ?
A. 運動中・発汗時にはナトリウムが失われます。
研究では、ナトリウム含有飲料は“水だけ”よりも体液保持が優れており、回復・代謝維持の観点で有利であることが示されています。

Q4. 塩を控えすぎるとむくむって本当?
A. はい。
ナトリウムが極端に低いと、体は水分を保持しようとし、結果的に細胞間に水が溜まる“むくみ(浮腫)”が生じることがあります。塩=むくみの原因、という単純な図式ではなく、“塩分と水分のバランス”が重要です。

Q5. 海塩は普通の食塩(精製塩)より良いの?
A. 海塩には微量ミネラルが含まれていたり、精製度が異なったりしますが、基本的な機能(ナトリウム・塩化物補給)はどちらも同等です。重要なのは「質を意識しながら、適塩を守る」ことです。

Q6. 水分を取りすぎると逆に良くない?
A. はい。
水分を大量に摂ってナトリウム・他の電解質の補給を怠ると、低ナトリウム血症(ハイポナトレミア)などのリスクがあります。特に長時間運動や汗をかいた後は、電解質補給を併せて行うことが重要です。

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