「バルクアップ(筋肥大)したいなら、走るな」
「ランニングは筋肉を分解するからやめるべきだ」
ジムに通うトレーニーなら一度は耳にしたことがあるこの定説。
しかし、あなたはこう思っていませんか?
「筋肉はつけたいけれど、体脂肪は落としたい」
「スタミナもつけたいし、心肺機能も高めたい」
結論から言えば、ランニングをしながら筋肥大を達成することは「可能」です。
実際に、ラグビー選手やクロスフィットのアスリートを見れば、
高い持久力と巨大な筋肉が共存できることは明白です。
しかし、無計画に走れば確実に筋肉は萎みます。
鍵を握るのは、相反する2つのシグナルを管理する
「コンカレント・トレーニング(同時並行訓練)」の戦略です。
この記事では、科学的根拠に基づき、ランニングのメリットを享受しつつ、
筋肉を確実に大きくするための「5つの鉄則」と「具体的なスケジュール」を徹底解説します。

目次
まず敵を知りましょう。ランニングが筋肥大を阻害する現象は、
専門用語で「干渉効果(Interference Effect)」と呼ばれます。
筋肉の細胞内には、主に2つの正反対のシグナル伝達経路が存在します。
科学的なジレンマは、「AMPK(ランニングのスイッチ)が活性化すると、
mTOR(筋肥大のスイッチ)を抑制してしまう」という点にあります。
つまり、激しいランニング直後は、身体が「省エネモード」になり、
筋肉を大きくするプロセスを強制停止させてしまうのです。
しかし、この「干渉」は絶対的なものではありません。
適切な「時間」と「栄養」で管理すれば、両立は可能です。
干渉効果を最小限に抑え、筋肉を守りながら走るための具体的なルールです。
これが最も重要です。筋トレとランニングを連続して行うと干渉効果が最大化します。
どうしても同じセッションで行う必要がある場合は、
必ず「筋トレ → ランニング」の順序を守ってください。
ランニングを先に行うと、筋グリコーゲン(エネルギー源)が枯渇し、
筋トレの出力(重量×回数)が低下します。
筋肥大の最大の要因は「メカニカルストレス(高重量)」なので、
フレッシュな状態でウェイトを挙げることが最優先です。
ダラダラと苦しいペースで長く走るのが最悪です。
コルチゾール(ストレスホルモン)が分泌され、筋分解が進みます。
「走る=カロリー消費」です。
筋肥大には「消費カロリー < 摂取カロリー」の余剰エネルギーが必須です。
ランニングで300kcal消費したなら、食事でその分を「上乗せ」して補給しなければなりません。
走っているのに食べない、これが筋肉が落ちる最大の原因です。
特に炭水化物(カーボ)を恐れずに摂取し、常に筋肉にグリコーゲンを満たしておく必要があります。
脚の筋トレ(スクワットやレッグプレス)の翌日にハードなランニングを入れると、
回復が追いつかず、怪我やオーバートレーニングの原因になります。
脚の日の翌日は完全休養か、上半身のトレーニングに充てるのが賢明です。
あなたのライフスタイルに合わせて選べる2つのパターンを紹介します。
最も干渉効果が少ない理想的なプランです。
| 曜日 | 午前 / 午後 | 内容 | ポイント |
| 月 | 筋トレ | 胸・背中・腕 | 上半身の日 |
| 火 | ランニング | 低強度ジョグ 30分 | 疲労抜きラン(ゾーン2) |
| 水 | 休息 | 完全オフ | 栄養摂取に集中 |
| 木 | 筋トレ | 脚・肩・腹筋 | 下半身の日 |
| 金 | 休息 | 完全オフ | 脚の回復優先 |
| 土 | 筋トレ | 全身(コンパウンド種目) | 強度高め |
| 日 | ランニング | インターバル走 or 坂道ダッシュ | 心肺機能強化 |
忙しい社会人向け。同日に行う場合の最適解です。
| 曜日 | 内容 | ポイント |
| 月 | 休息 | |
| 火 | 筋トレ(上半身)→ 直後に 有酸素(20分) | 有酸素は短めに抑える |
| 水 | 休息 | |
| 木 | 筋トレ(下半身) | ランニングはしない(脚の保護) |
| 金 | 休息 | |
| 土 | 午前:ランニング(長め) | 有酸素能力の維持・向上 |
| 日 | 筋トレ(全身) | 週の締めくくり |
ランニングと筋肥大を両立させる「ハイブリッドアスリート」にとって、
真の鍵はプロテインではなく「炭水化物」です。
「ランニングしながら筋肥大」は、決して不可能なミッションではありません。
むしろ、適度なランニングによる心肺機能の向上は、
筋トレ中のインターバル回復を早め、より高ボリュームなトレーニングを可能にするという相乗効果も期待できます。
重要なのは、「やみくもに走らないこと」です。
この3つを守れば、引き締まった体幹、尽きないスタミナ、
そして逞しい筋肉のすべてを手に入れることができます。
今日から、ただのランナーでも、ただのトレーニーでもない、
最強のハイブリッドアスリートを目指してトレーニング、ランニングのスケジュールを見直してみましょう。
A. 迷わず「筋トレが先」です。
ランニングを先にすると、筋肉を動かすエネルギー(筋グリコーゲン)が枯渇し、また精神的にも疲労した状態でバーベルを握ることになります。
これでは高重量を扱えず、筋肥大に必要な「物理的刺激」が弱くなってしまいます。
「筋トレで成長ホルモンを出し、その後の有酸素で脂肪を燃やす」という順序が、
ホルモン分泌の観点からも脂肪燃焼の観点からも正解です。
A. 「積極的休養(アクティブレスト)」程度ならOKですが、追い込むのはNGです。
激しい筋肉痛がある中で走ると、フォームが崩れて膝や股関節を痛めるリスクが高まります。
また、筋肉の修復(超回復)に必要なリソースがランニングに使われてしまい、
脚の筋肥大が停滞する可能性があります。
脚トレの翌日は、ウォーキングや軽いバイク漕ぎで血流を促す程度に留めるのが、
賢い「ハイブリッドアスリート」の選択です。
A. 「短距離ダッシュ」なら可能性はありますが、長距離では難しいです。
マラソンランナーの脚が細く、競輪選手やスプリンターの脚が太いことからも分かる通り、
筋肉を大きくするのは「瞬発的な高負荷」です。
もし走ることで脚を太くしたいなら、平地を長く走るのではなく、
「坂道ダッシュ」や「100mスプリント」を取り入れ、速筋繊維を刺激することをおすすめします。
A. はい、通常よりも「多め」に摂取してください。
ランニングによるエネルギー消費と、着地衝撃による赤血球の破壊(溶血)などを考慮すると、
身体の修復にはより多くのアミノ酸が必要です。
通常の筋トレのみなら「体重×1.5〜2g」が目安ですが、
ランニングも並行する場合は「体重×2.0〜2.5g」を目安に摂取し、カタボリック(筋分解)を徹底的に防ぎましょう。
A. 「週3回、各30〜40分以内」が安全圏と言われています。
2012年のメタ分析(Wilson et al.)によると、有酸素運動の頻度と時間が長くなるほど、
筋肥大効果は減少することが示されています。
筋肥大を最優先にするなら、有酸素運動は「1回30分以内」に留め、
長時間走るよりも「短時間で心拍数を上げる」効率的なアプローチを意識してください。
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